古い戸建やマンションで在来工法のお風呂はリフォームが簡単そうで難しく、費用がかさむのが現状です。
ユニットバスが建物の梁等で入らない、また小さすぎてリフォームに困っている方必見です。対策方法や最近流行のリフォームを紹介します。
空家が増えるタイルのお風呂の背景
最近は在来工法のお風呂を持たれている賃貸マンションオーナー様や管理会社様からリフォームの依頼が多くなって来ています。
持ち家の方も参考にしてください。役にたちますので!
空室が増える原因は簡単です。お風呂が在来ということはマンション自身も老朽化しています。
お風呂以外の間取りの使い勝手が悪いのとずばり、在来工法の床、壁がタイル張の浴室は敬遠されます。
敬遠理由は冬は寒々と冷たいこと。たいていの場合は狭いことがあげられます。この点は個人の持ち家の方も同じ思いでしょう。
つまり機能面の古さでの不満足と老朽化による見た目の悪さです。そこで思い浮かぶのは、まず最初にユニットバス(システムバス)にしてみたいと考えるのが普通です。
ここからが問題点が多い場合があります。順に解説します。
在来工法のお風呂のリフォームがむつかしい点
一番簡単なのはユニットバスに入れ替えることですが、問題は何点か有ります。
- タイルの張替えや追加部分で高くつく
- ユニットバスが入らない場合が多い
- ユニットバスでも予算は高額になる
- 部分的なリフォームがしたい
1番目ですが、現状の壁や床のタイルを剥がしてやり替えるのは結構な手間です。左官仕事も入るのでケースにもよりますが3~5日間かかれば材料費プラス日数分の人工代もかかってきます。
人工とは職方の賃金のことです。1日で終わる仕事であれば1人工、2日かかれば2人工となります。1日に2人必要ならば2人工となります。昼までに終わっても時給ではなく1日分の賃金です。
前項でもそれ以外に浴槽や設備面を考えるとユニットバスへの交換が可能であればコスト面以上の満足感は得られるはずです。
ところが昔に作られた浴室は規格サイズなどはなく、まちまちのサイズです。大きさだけでなく天井高も高いのから低いものまで存在します。
またマンションのケースでは構造上の梁があって立方体になっていないお風呂もあります。木造戸建てと違ってコンクリートを構造上の強度の問題もあり撤去することはできません。
ではどうすれば良いのか?
予算が許すのであればサイズ通りにオーダー的なユニットバスもあります。100万円以上の価格になりますがタカラスタンダードのサイトを見てください。
満足している部分もあるが不満足の部分もある場合はどうするのか。
在来浴室の部分リフォームはどこまでできるのか
ずばり言いますと壁タイルや床がタイルは問題ありません。ただ壁がいがんだり、大きな欠損や亀裂がある場合は下地処理にある程度の費用がかかります。
リフォーム方法はパネル工法という浴室専用のパネルを貼ります。床であれば床シートという部材もありデザイン・機能面も冬暖かく、滑りにくくなっています。近年のリフォーム・リノベーションブームでメジャーな住宅建材メーカーが力を入れてくれたおかげで商品も増えています。
浴槽も交換でもいいのですが、浴室再生塗装を使えば10年は持ちますし、交換の半額ほどで可能です。天井もパネルで施工可能です。
意外とお風呂の中が部分的にリフォームできることを建設関係の方でも知りません。まずはご自身が興味をもって勉強されてはいかがでしょうか。
いろいろとむつかしい点もありますが、実例をあげて説明します。
在来浴室のリフォーム方法の実例
今回のケースも大規模にリフォームをかけたのですが、お風呂が欠点になり入居者が決まらないと言う例です。賃貸マンションですが参考になります。
建物は築30年超えですが手入れの行き届いたマンションです。外壁改修も済ませ共有部も奇麗です。
今回のお部屋は大規模リフォームをかけて他のお部屋とは間取りも内装も断然良くなっています。オーナー様の苦労が報われれば良かったのですが。
うまくは行かないもので何か月たってもこの部屋は空室のままでした。
お風呂は在来のタイルのお風呂です。
床が問題です。
タイルの無機質の感じと床のひんやり感が敬遠される理由ですが、ユニットバスなら15万円も有れば充分浴槽、壁、床、天井までツルツルのピカピカに出来るのです。
が、タイル、コンクリートはコーティングは出来ません。
この状況では選択の余地はなく、1択です。
パネルを貼る意外に方法は有りません。
ところがコーティングにくらべ結構高くつきます。当社もグレードによってアイカ工業のセラール(メラミン化粧板)FRPパネル貼り、積水のパロア(塩ビシート)をバックアップ材に張って使用、の3種類が有ります。
現在は北村化学のエルクリーンもあります。
老朽化したタイル壁のお風呂をアイカのセラールでリフォーム
タイル壁の在来工法浴室をFRP製のパネルを貼ってのリフォーム実例
パロアを使ったお風呂リフォーム
今回は予算が20万円前後と言う事でパロアのコンフォートパネルをタイル部分と床に使用しました。
現在は床シートについては東リのバスナシリーズがメインです。
分譲マンションの床リフォーム
もちろん床は左官で排水枡を作り下地処理も含みます。
浴槽は大阪ガスさんのリースなので(もちろんステンレスはコーティング出来ません)そのままです。
ピンクベージュの材料でタイルの上に貼りました。
奥の空いたスペースに浴槽がはまります。
在来工法のお風呂リフォームのまとめ
在来浴室で部分リフォームをお考えなら下記の点なら大丈夫です。低コストで可能です。
タイルの壁面の痛みが多いケースやタイルに割れがあるケース、また全体的に老朽化しているケース
冬場に寒く感じるケースやタイルの色や模様が気に入らないケース
ずばり、浴室パネルを張ることをお勧めします。価格は材料によっていろいろ選べます。今回はリフォーム方法なのでこの1点のみの答えになります。
もちろん、タイルの張替えをするのも選択肢です。価格は別としてですが。
タイルの床のリフォームも床のシートを張るのが最良の方法です。特に東リのバスナシリーズは近年そのデザイン性の良さから需要は多いです。
最後に壁、床のリフォーム相場の参考にしてください。
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