近年、大阪のスパイスカレーが進化を続け独自の文化となっています。すっかり大阪の市民権を得たスパイスカレーにスポットを当てて、その起源やどう進化してきたかを探ってみました。食べ歩きの参考にしてください。
スパイシーフード好きで3度のメシがカレーでも良い僕が食べ歩いてシリーズ化していきたいと思います。
大阪スパイスカレーとは
カレーと言えばその発祥のインドをイメージするか、子供の頃に慣れ親しんだハウスバーモントカレーやメタルインドカレーのようなお袋の味を連想します。
日本人なら誰もが好きなカレーライスですが、ここ大阪では20年ほど前から先人たちの知恵から進化が始まりました。
大阪スパイスカレーとは僕なりに考えてみると下記の特徴があります。
- 自由な発想
- スパイスの使い方が自由自在
- 出汁(だし)を使ったものも多い
- 小麦粉でとろみをつけない
- 盛り付けも独特の美しさ
第一は上記のリストにあるように自由な発想。既成概念にとらわれない面白さと冒険心。
スパイスの使い方も常識にとらわれず、美味しさへの追求のためにあえて違うやり方も。
日本文化の出汁(だし)をベースにしたものも多く、カレーの常識をくつがえすが、食べていて何か懐かしい味。
ルーは小麦粉を使ってどろっとしていない。むしろシャバシャバ。
ルーと一緒に野菜を煮込まず、プレートに。
ざっと簡単に大阪スパイスカレーの特徴を列記しました。これだけでは語れない面白さのある大阪スパイスカレーの名店を食べ歩きしたいと思います。その前に歴史を振り返ります。
大阪スパイスカレーの歴史
その歴史は1990年代に始まります。関大前でよく行った「タンダーパニー」や大阪スパイスカレーの原点と呼ばれる「カシミール」 閉店した「伽奈泥庵」、中津お洒落な喫茶店から始まった「カンテ・グランデ」
これらの創成期を皮切りに進化を遂げてきました。創業年月日を元に区分してみます。
大阪スパイスカレー第一世代
- もりやま屋(1997年)(西天満)
- カルターラ(1998年)(肥後橋)
- cafe & curry Buttah(2002年)(東心斎橋)
- バンブルビー(2006年)(本町)
- 梨花食堂(2006年)(天満)
この時代の特長はインドやスリランカから学んだカレーが主流。ただ、それだけではなくスパイスの使い方の常識を破るお店も出現する。
また、日本人の口に合うようにアレンジして進化したのもこの時代。それでも具材を含め独創的で斬新なのも大阪風。
大阪スパイスカレー第二世代
- モリ商店(2009年)(西天満)
- columbia8(2008年)(北浜)
- 旧ヤム邸(2011年)(谷六)
- スパイス カフェてん(2011年)(南森町)
キーマカレーが主役となった時代。だがスパイス使いはより綿密に計算され、小羊などの新素材も生まれる。
大阪スパイスカレー第三世代
- 谷口カレー(2010年)(北浜)
- カレーちゃん屋(2011年)(寺田町)
- ロッダグループ(2011年)(西九条)
- 辛口飯屋 森元(2011年)(西天満)
この時代から間借りカレーが登場する。オリジナリティに溢れるカレーが増え続けたのもこの時期の特徴。
それと一皿でおかずも盛ったスリランカカレーのような形態も、さらに独創性をもって登場。
大阪スパイスカレー第四世代
- ガル(2012年)(肥後橋)
- SOMA(2012年)(中津)
- バビルの塔(2012年)(谷四)
- BOTANI CURRY(2013年)(本町)
snsの発達により、変則的な営業形態が生まれる。カレーイベントが増え、ますます、キレキレのカレーが登場する。
見た目もワンプレートとは言え、カラフルに美しさもました時代。
大阪スパイスカレー第五世代
- ゼロワンカレー(2014年)(谷四)
- chai chai(2015年)(西長堀)
- トムントコ(2015年)(天満)
- 創作カレー ツキノワ(2016年)(堺筋本町)
そして、大阪スパイスカレーは進化の相乗効果の時代へ。
あいがけと言う2種のカレーのシナジーの共演へと突入。だが調和は忘れていない。
止まる所を知らない大阪スパイスカレーである。もうこれが関西、いや、大阪そのもの!
これから一軒一軒食べに行くのがなんと言う楽しみであろうか!
スパイスに出汁(だし) 大阪らしくて楽しみなジャンルです。
今後にご期待ください!
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