浴室再生塗装と言う聞きなれない言葉ですが、ユニットバスを交換するのではなく、古いユニットバスを新品同様に再生させる新たな浴室リフォームの方法です。
もちろん施工費用もローコストですので実例をあげて、メリット・デメリットを説明します。
今回の対象の浴室はINAX製(現在はLIXIL)の壁がタイル貼りの築38年のユニットバスで、浴室再生塗装はバスタブと床・天井部分が施工した範囲になります。どう変わったかをお見せします。
ユニットバスを交換しなかった理由
賃貸オーナー様にとってユニットバスの交換は最後の選択肢です。もちろん老朽化した浴室をユニットごと入れ替えればすべてが済むことです。家賃収入とのバランスがとれればのことですが、部屋全体のリフォームとなるとお風呂だけではありません。
オーナー様が求めていたことは
- ユニットバスの交換の費用の1/2以下で行えるか
- 壁のタイルは色が気に入らないが張り替えが手間
- 交換しないなら他の方法はあるのか
- 交換しなくて可能な方法でカラーリングは変えれるか
ここで少し説明をしておきます。浴室再生塗装とはユニットバスの材質であるFRP専用塗料を機材で吹付けて新品同様にする工法です。
塗料は表面は硬くても弾性(たわみのある)が必要になりますのでアクリルウレタン樹脂系です。
オーナー様に浴室再生塗装の良さを理解していただいた上でリフォーム提案をしました。
対象となった空室はタイルの目地のカビはほとんど有りませんでした。もちろんタイルのひび割れや欠損もありませんでした。
それではタイル部分をリフォームせずに浴槽と床・天井だけで良いのでは思われますが、オーナー様のお考えがありました。
それは部屋の内装を3DKから2LDKに替え、内装も通常よりグレードアップさせフルリノベーションをしたいので、どうしてもお風呂の老朽化が目についてしまうことでした。
もちろんユニットバスの交換も考えたそうですが、費用を抑えた分を内装に使いたいと言う事で、何か新しい浴室のリフォーム方法はないのかとお探しでした。
浴室再生塗装(コーティング)だけではタイルには塗装できないので、タイル壁にFRP板を貼ることにしました。そこでオーナー様の提案で壁の1面だけチョコブラウンにコーティングし他の壁はオフホワイトで囲うことになりました。
ローコストの浴室再生塗装(コーティング)の施工内容
浴室再生塗装と壁のパネル貼りの手順を下記に示しています。
- 壁を日ポリ化工のFRPパネル(オフホワイト)を壁に貼る
- 塗装面の下地処理
- 浴室再生塗装で壁の1面を(チョコブラウン)仕上げます
- 床、浴槽をチョコブラウンで、天井をオフホワイトで再生塗装
- 研磨で塗装面を仕上げ、およびシール材を打って終了
全3日間の行程でした。吹き付け色が濃い色目の場合、わずかな埃でも目だってしまい、研磨仕上げの前にもう一度、仕上げ吹きをしました。下地処理から換算して4日間、1日のロスが有りましたが無事完成です。
浴室再生塗装(コーティング)を知ってユニットバスをリフォームしよう
他にも写真を対比して載せてみます。
写真の使用レンズが違いますがほぼ同じアングルです。
反省点は何点か有るものの満足な仕上がりでした。入れ替えの1/3の価格で出来たので、オーナー様にも喜んでもらえたと思います。もう少し完成写真を掲載します。
最後にお部屋の全景です。
浴室再生塗装のまとめ
浴室再生塗装とは30年以上前からホテル業界のユニットバスから始まった工法です。歴史は古く一般の方には馴染みが薄いですがインターネットの普及により、少しづつ認知されてきました。
最大のメリットはユニットバスですと交換のコストの1/3以下に抑えられる点です。施工期間も通常(重度の痛みが無い場合)二日間です。また、部分的にもリフォーム(塗装)が可能です。
デメリットは塗料が2液性のアクリルウレタン系ですので希釈剤は有機溶剤となり、匂いが施工後も3〜4日軽くします。
ニッチな業種ですので探すのが面倒です。また、ホテルに特化している施工店も多いので急ぎの場合に困る場合もあります。
業者の良し悪しで品質や耐久性にずいぶん差が出やすい点もあります。
ただ、デメリットもありますが経年劣化やユニットバスの表層のツヤがなくなった場合には新品と間違うほどの光沢感があります。賃貸オーナー様の場合には入居率を考えた場合に重宝します。
一度、浴室再生塗装の仕上がりをご覧になるのをお勧めします。驚かれることは間違いなしですので!
コメント
綺麗になるものですね。
色もありきたりのお風呂と思えない落ち着いた色です。
コメントをありがとうございます。これからも施工品質を向上させ頑張ります。